2015年

6月

30日

Maria Callas  la grande nuit de l'opera

チケットは買ってあったけど、なかなか行けないでいた映画「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」を観てきました。

チラシでは静岡シネ・ギャラリーとなっていますが、宝泰寺というお寺さんが建てたサールナートホールの中にあるんですね。


静岡駅北口近く、お寺とホールは向い合せに建っています。ホールにはコンサートや演劇鑑賞で何度も行っています。


忘れていました(笑)。私も出演したことがあります。

左がサールナートホール、右がその向かいにある宝泰寺です。

 

さて、映画の感想を。

マリア・カラス(1923~1977)

余りにその名を轟かせ、存在が大きかったために、もっと長く活躍していたようなイメージを持っていましたが、最盛期は1950年か1960年ぐらいまでの僅か10年ほどだそうです。

そして、53歳の短い人生。

富豪のメネギーニと過ごした期間と、船舶王オナシスとの恋愛が有名ですが、その後は歌手のディ・ステファノとも交際があったんですね。

 

この映画の中のパリ・オペラ座の公演は1958年ですから、まさに全盛期の円熟した歌声を聴かせています。

曲目は、前半ではベッリーニ「ノルマ」から4曲、ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」から3曲。ロッシーニ「セビリアの理髪師」から「今の歌声は」

後半はプッチーニの「トスカ」第2幕の上演でした。

 

最初にオーケストラがヴェルディの「運命の力」を始めたときに、正直、「うわぁ」と思っちゃったんですが。音質がよくなくて。

でも、1958年の映像と音ですからね。

フィルムにも多少シミがありましたね。

 

でも、一たんカラスの歌が始まると、その圧倒的な声の力、幅広い声域を自由に使いこなす技巧、真に迫る演技力で、全く気にならなくなってしまいましたから、すごいです。

 

特に後半の「トスカ」は、歌も演技も圧倒的で、悪役のスカルピア男爵を演じたティト・ゴッビも当時のイタリアオペラを代表する名歌手だそうですが、歌、演技ともに真に迫っていて、2人が対峙する息詰まるような展開に目も耳も奪われました。

 

日本の時代劇にも、悪代官とか越後屋(笑)とか出てきますが、このティト・ゴッビ演じるスカルピアの悪者ぶりに比べると可愛く思えるくらいです。

 

カラスは1973年と74年に来日して公開レッスンやリサイタルをしましたが、この74年の演奏が公開の場では最後になったそうです。

彼女の死は謎に包まれていて、遺産を横領したヴァッソ・デヴェッツィというピアニストに毒殺されたという説もあるそうです。

 

名曲はずっと残るけど、生身の歌手や演奏家の芸術は、一代限りのもの。

儚いだけに一層美しく、強く胸に迫ります。

この映像が残っていたのは、本当に幸いだったと思います。

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2015年

6月

26日

きょうの出来事

きょうはドライアイの目薬を処方してもらうため眼科医院に行き、薬局に寄りました。

その薬局はちょうど子供の手の届く位置にお菓子がたくさん置いてあるんですね。

前からちょっとどうなんだろうと思っていました。

 

しばらくすると、若いお母さんが幼い3人のお子さんを連れて入ってきました。

子供たちは何度も来ているのか、真っ先にお菓子のところへ行って、お母さんが制する間もなくお菓子を両手に握っています。

 

お母さんは、「あっ、そんなに。2つにしてね」

いつもの約束なんでしょうか。

でも、子供たちは握ったままなかなか返そうとしません。

一番小さい子は、棒のついたキャンデーを包装のまま口に入れています。

上の2人にお母さんが何度も、「2つだけ。返してきて」と言うんですけど、「これはパパのぶん」とか(笑)

「パパそれいらないと思うよ」とお母さん。

かなりのすったもんだがあって、「それじゃ○○ちゃん(下の子)のだけ買う」と言われてやっと2個ずつ取って残りを返しました。

 

イライラした様子もなく辛抱強く言い聞かせているお母さんはえらいなとも思えるんですが、でも、どうなんでしょうね。

家の中ならいいですが、後でほかの子も買うお菓子ですから、勝手に手に取るのは不衛生だし、そもそも触らせてはいけないんじゃないかなと。

子供の気持ちを尊重するのはいいけど、小さい子はなかなか理屈でわからなかったりするから、だめなものは「だめ!」と短い言葉で少し強い口調で言ってもいいんじゃないかな。

 

レッスンをしていても、昔の子供に比べて最近のお子さんは、レッスンの時間に気持ちの切り替えができない子が多いように感じます。

ぬいぐるみを持ってくる子や、気分が乗らないとなかなかピアノに向かわなかったり。

お母さん、もうちょっと強く言っても、と思うときあります。


お子さんにピアノを習わせるのに、1年でも、1カ月でもよその子より早く始めたほうが、と思われる親御さんも多いようですが、実はレッスンを始める以前にどれだけ基本的なしつけができているかのほうが、その後の上達に影響すると思います。

導入がスムーズにいったり、その後も順調に伸びていくかどうかには、そういうことが大きくかかわってくるんですね。

 

誰でも初めから親じゃないので、悩んだり試行錯誤しながら子育てしていくんですけど。

若いお父さん、お母さんたちに「頑張って!」とエールを送りたいです。

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2015年

6月

17日

Yefim Bronfman

きょうは一人の昼食タイムに、録画してあったイェフィム・ブロンフマン(1958~ )が弾くブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴きました。(NHK・BS プレミアムシアター)

旧ソ連出身のピアニスト。


私はこれまで聴いたことがないピアニストだったんですが、こういう表現が適切かわかりませんが、ビジュアルが何だかゴッドファーザーに出てきそうな、恰幅のいいこわもてのおっさんという感じ。

葉巻を持たせてみたいような。


この曲は、長い序奏の後でピアノが静かに始まるのですが、見かけとは裏腹に繊細なタッチで、そのギャップがなかなか素敵でした。

ブラームスのコンチェルトですから、その後はダイナミックでテクニックを要する部分が続く、体力も必要なことで知られる曲ですが、テクニックといい、体力といい、充分でしたね。

やっぱりこの曲はこれくらいの体で弾くのがふさわしいんでしょうか(笑)


ほかにも聴いてみたかったので、youtubeで検索。

ラフマニノフの協奏曲や、プロコフィエフの演奏のがありました。

これはプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番の終楽章ですね。


やっぱりすごいですね。

終わりのほうの盛り上がる部分、お見事と言うほかありません。


これはオーケストラの前で独奏曲を弾いているのですから、きっと協奏曲を弾いた後にアンコールでこの短い3楽章を弾いたんでしょうね。

6番、7番、8番の3曲は「戦争ソナタ」として一括りに呼ばれていて、私は音大の卒業演奏が6番の1楽章だったんですが、いっぱいいっぱいでした(笑)

先生には、「好感の持てる演奏でした」という、ほめられたのか何なのかよくわからない評をいただきました(-_-)

私にこの体があれば、もうちょっと何とかなったでしょうか。


でも、ブロンフマンが演奏の後、指揮者やコンサートマスターと言葉を交わしている表情を見ても、素晴らしい演奏の後で意気揚々という感じでもなく、満面の笑顔でもなく、きっと見かけによらない繊細な人なんだろうなという印象を受けました。

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2015年

6月

12日

Maria Callas

NHK・BSプレミアムで放映された世界ドキュメンタリー「マリア・カラスVS.レナータ・テバルディ」(「Face to Face Callas vs.Tebaldi」フランス2014)を観ました。

(18日PM5:00から再放送があるようです)

 

いま若い世代の人たちは、この2人の歌姫のことは知らない人が多いんでしょうか。

カラスのほうが名前は残っているかもしれませんね。

 

私は学生のころ、声楽科のお友達に声楽のレッスンをしてもらっていたことがあって、彼女の家でレコードでカラスの歌う「カルメン」の「ハバネラ」を聴いて、2人でため息をついていたことをよく覚えています。

 

番組では、こういう題名だから当然それが狙いなんでしょうけど、2人のライバル関係を描いていて、勝ち負けをやや単純化し過ぎているきらいはあるものの、楽しめました。

要所要所で流れる2人の歌声が、あらためて素晴らしいの一言です。

折しもというか、ちょうどというか、静岡シネ・ギャラリー(サールナート・ホール)で6月13日から7月10日まで「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」が上映されるので、チケットをゲットしました。

観てみないとわからないですが、これは映画というより記録映像のような感じでしょうか。

「1950年代の10年間に凝縮されるカラスの最盛期の舞台をただ一つだけ今に伝える」と、チラシに書かれています。

しばらく忙しいんですけど、上映されている間に必ず観に(聴きに?)行くつもり。


ピアノであろうと、他の楽器であろうと、音楽の源はやっぱり歌ですから、ピアノを弾く人も歌を聴いたり自分でも歌ってみることはとても大事ですね。

自分の中に歌がないと、ピアノを弾いても単に打楽器のようになってしまいますから。


いまからとても楽しみにしています。

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2015年

6月

08日

大井川と吊橋

お友達に誘っていただいたので、大井川の上流のほうに行ってきました。

大井川にかかる両国吊橋と大井川鉄道の電車です。

吊橋は長さ145メートル、高さは8メートルだそうです。


何でもこの日は機関車トーマスフェアをやっていたらしく、小さなお子さん連れの若い家族を何組も見かけました。

千頭駅で見られたらしいのですが、大人な私たちはそんなにトーマスに興味もなく(笑)

離れたところから、トーマスの蒸気だけは見えました。

子供のころ渡った安倍川上流の吊橋は、本当にたわんでぶらんぶらんして、歩くところも狭くて怖かった記憶がありますが、これはしっかりしたつくりで、風が強ければ揺れるでしょうけど、真ん中あたりが少し揺れる程度でした。

スキップしてみたけど、全然余裕でした(笑)

もうちょっとスリルがあってもいいかも。


寸又峡の「美女づくりの湯」というのに入りたかったんですが、数名しか入れないらしく、この日は満員ということでした。

うーん、残念。

入っていれば、きょうの私は別人だったかもしれないのに…(>_<)


でも、豊かな緑を見て、川の水の色を見て、癒された一日でした。

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2015年

6月

01日

日本平-大原美術館展-karaoke

年に2回ほど山歩きをするお仲間と、日本平に登ってきました。

Je suis allée à Nihon-Daira avec mes amis.


山歩きと、美術館-karaokeコースで意見が分かれ、結局、全部やっちゃおう!っていうことになりました。

日本平へ登るコースは幾つかあるようなんですが、私たちは草薙口から登ることに。

まずは登り口付近にある草薙神社にお詣りです。

山あいに茶畑があるのが静岡らしいですね。

野苺もたくさんなっていて、お友達は食べていましたが、私はちょっと不安で。


緩やかな登りがずっと続いて、日ごろ運動不足なので、結構息が切れました。

山頂に到着。

前の晩まで雨の予報で、だめかと思っていたのに、この空の色は何でしょう(笑)

Selon la météo,il allait pleuvoir,mais il a fait beau.

Au sommet nous avons déjeuné.

 

この山頂にある日本平ホテルは、テレビドラマの舞台にもなったんですね。

そしてお弁当の後は、ロープウェイ近くのバス停からバスに乗って静岡駅まで。

何しろ強行スケジュールなので、下りは省略してショートカットです(笑)

Ensuite nous sommes allés au le musée de Shizuoka-shi en autobus.

Il y avait Modigliani,Matisse et Miró.

 

静岡市美術館で開催されていた大原美術館展へ。

この日が最終日でした。

日本の画家の作品が多かったですが、このチラシのモディリアーニやマティス、ミロなどの絵も観ることができて、よかったです。

実物を目の前にすると、この絵のジャンヌの水色の瞳、吸いこまれそうでした。

 

美術作品を堪能した後は、清水方面に戻って、友達のご主人が会員になっているカラオケ店へ。

Ensuite nous sommes allés au Karaoke.

 

私、2年ほど前にカラオケ初体験だったんですが、カラオケは日本人のすごい発明だなと思いました。

自分の声域に合わせてキーも簡単に変えられますが、ピアノ伴奏で歌の人に「半音上げて」とか「半音下げて」とか言われたら、曲にもよりますが、よほど日常的にそういうことをやっているプロの伴奏ピアニストでない限り、大変ですよ。

例えばハ長調の曲を半音上げるとしたら変ニ長調で♭5つの調に、半音下げるならロ長調で♯5つの調になりますが、機械はそんなこと考えてないでしょ。

 

最初に行ったときは何も歌えるものがありませんでしたが(学生のときも毎日バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンでテレビも観ていなかったので)、せっかくカラオケに行くならと、youtubeで聴いて少しは歌えるものができました。

 

かわるがわる好きな歌を歌いましたが、最後に友達のご主人が歌った美空ひばりの「お祭りマンボ」に全部持っていかれました。

テンポは速いし、音は飛ぶし、それこそお祭りみたいに大変なことに(笑)

みんなで涙が出るほど笑いました。

 

彼の名誉のためにつけ加えておきますが、彼はフランス語の達人で、シャンソンなんかフランス語で上手に歌ってくれるんですよ。

私が1曲だけフランス語で歌える歌はカラオケに入っていないので、何かできるようにしたいです。

 

よく歩き、美術も鑑賞し、歌ったり笑ったり、満喫した一日でした。

リフレッシュできたので、きょうからまたお仕事頑張っています。

Je me suis bien amusée toute la journée.

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