ピアノ・リサイタル

気がついたら、もう12月。

書きたいこともいろいろあったんですが、一日一日の過ぎ去るのが速いこと。

土曜日は静岡音楽館AOIにアレクサンドル・タローのリサイタルを聴きに行ってきました。

私は聴いたことのないピアニストだったんですが、なかなかユニークなプログラミングで楽しめました。

このプログラムだって、ピアノの上に乗っちゃってるくらいですからね。

ステージに出てきたときの空気感が、笑みを浮かべてとっても自然な感じで会釈して、見るからに親しみやすい雰囲気。

 

プログラムは、まずドビュッシー「映像」第1集から、「ラモーを讃えて」。

続いてジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ(ルイ15世の娘たちの教師だったそうです)という、あまり聴く機会のない作曲家のクラヴサン曲集から2曲。

そしてラモーのクラヴサン曲集から7曲。

休憩を挟んで、またドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲(タロー編)」。

最後に、ベートーヴェンのソナタ第32番。

 

ベートーヴェン以外は全てフランスものですね。

1部も2部もドビュッシーで始めるのも、面白いアイデアです。

「ラモーを讃えて」で始めたのは、その後でラモーを弾くからでしょうね。

最後がベートーヴェンだったのは、なぜだったんでしょう。

そこはちょっと不思議な気がしました。

 

ドビュッシーもロワイエもラモーも、とてもきれいな明るい音色で装飾音もきらきらと流麗で、純粋に心地よく楽しく聴けました。

ベートーヴェンは、この人が弾くとなぜかベートーヴェンらしい重厚さはあまり感じられず、フランス人ピアニストだからなのか、この人の特性なのかわかりませんが、これも個性なんでしょうか。

悪くはないけど、好みは分かれそうですね。

ずっしりした感動を期待する人は、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。

 

でも、全体にとても気持ちのいい演奏で、新鮮味もあり、とても楽しめるコンサートでした。