少し前にNHKの「らららクラシック」でハノンを取り上げていましたね。
ピアノを習っていた人で知らない人はあまりいないんじゃないかと思います。
ハノンピアノ教本。
日本だけでこの1年間に14万冊も売れているロングベストセラーだそうです。
私も当然弾きましたし(いまでも弾きます)、生徒さんのレッスンにも使っています。
練習曲が60番まであるんですけど、特に最初の30番ぐらいまでは単調な同じ音型の繰り返しが続くので、これをやれば指が動くようになって役に立つとはわかっているんですけど、つまらない、嫌い、と思う人も多いのでは。
この番組では、私も知らなかったハノンに関する知識が紹介されていて興味深かったです。
つくったのはシャルル・ルイ・アノンというフランス人。フランスでは単語の初めのHは発音しないのでアノンですね。
(1819~1900)ということは、今年が生誕200年なんですね!
何と、1878年のパリ万博のときに新型のピアノとともに出品されて金メダルをとったそうです。
その際にはパリ音楽院の著名な教授たちが推薦文を書いたそうで、このあたりから世に知られるようになったのでしょうか。
番組では、ハノンも出版しているという出版社の営業部長さんが、高校生のころ指が動くようになりたくて毎日1番から60番まで全部弾いていたという驚きのエピソードを語っていました。
私も39番の音階は24の調を全て毎日弾いていましたけど、全曲弾いていた人なんていたんだ、とびっくり。
だんだん速く弾けるようになって楽しいんだそうです(笑)。
筋トレも毎日続けていたそうですから、ストイックに鍛えるのがお好きな方かも。
ピアニストの伊藤恵さんが、1番をいろいろリズムやニュアンスを変えて美しく実演していました。
これはわかる気がする。
ハノンは素材に過ぎないので、退屈かどうかは使い方次第なんですよね。
私の先生も、小学生のころ、1小節ごとに即興でリズムを変えて退屈しないように弾いていたそうです。
私もレッスンでリズムの変奏は取り入れています。
生徒さんには、最後にメトロノームで速度に挑戦させて、1番ごとに目標の速度を上げていきます。目標があるとちょっと熱心に取り組めますよね。
最後のほうでショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番の第3楽章が、実はハノンの2番を使っているということで、実際の演奏を紹介していましたが、なるほどまさしくハノンの2番でした。
でも、言われないと「何だかハノンに似てるけど」ぐらいしか思いませんよね。
なかなか面白い企画だったと思います。
私も生徒に「つまんない」と言われないように、楽しくハノンに取り組んでもらう工夫をしていきたいと思います。
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