昨日の午後、フランスのピアニスト、ヴァンサン・ラルドゥレ(Vincent Larderet)のリサイタルに行ってきました。
ほかの講演会に行く予定だったのですが、このリサイタルがあるのを知って、講演会のほうはキャンセルしました。
私は知らないピアニストだったんですが、フランス人ピアニストがドビュッシーやラヴェルを弾くなら、ぜひ聴いてみたいと思ったので。
このチラシの「フランスの貴公子」ってキャッチフレーズ(?)、「どうなの、これ」と。
これをつけた人は何でも「貴公子」ってつければ売れると思ってるのかしら。陳腐でしょ。
ステージにあらわれた姿を見たとき、「あ、貴公子でいいな」と思いました(笑)。
すらりと長身で、歩く姿がとてもきれいです。
というわけで、「貴公子」認定。
1曲目はドビュッシーの「前奏曲集 第2集」。
12の小曲から成るのですが、前半は曲と曲の合間に髪をかき上げたり、鼻のあたりを触ったり、やや神経質な印象。でも、曲が進むにつれて音楽に入り込んで、多彩な音色で本領発揮という感じでした。
私の席は買った時期がちょっと遅かったので、後ろのほうのやや左ぐらいだったのですが、小さいホールだったこともあり、ちょうどいい席だったみたい。響きもよく、手も足元もしっかり見えて最高でした。
そして気がついたことは、ペダリングがとてもデリケートで、ビブラートのようにしていたり(効果はそれほどわからなかった)、なぜか右足を上ではなく、横に外すようにしていたり。普通は上下運動ですよね。これは何か意味があるのか。
鍵盤のタッチも含め、音色や響きに対して非常にこだわりのある人なのは間違いないですね。
リストの「詩的で宗教的な調べ」もショパンの「バラード2番」も、それぞれけれんみのない演奏でよかったのですが、やはりドビュッシーと、ラヴェルの「夜のガスパール」が、とても面白く聴けました。
講演会も行けば面白かったと思うけど、このリサイタルに行って濃密な時間を過ごすことができ、収穫がありました。
コメントをお書きください