きのうの深夜(正確にはきょうの早朝)寝床に入ってから眠くなるまでのつもりでテレビをつけたら、BSプレミアムで「歌劇カルメン」をやっていました。
エクサン・プロヴァンス音楽祭で上演されたものということでした。
プロヴァンスということは、フランスですよね。
現代風に演出されたもので、出演者もスーツ姿だったり、カルメンもパンツスタイル。
見た瞬間は違和感を感じて、どうなんだろうと思いましたが、音楽は「カルメン」そのものだし、何といっても出演者、特にカルメン役のステファニー・ドゥストラックの歌唱力の素晴らしさに引き込まれてしまい、しばらく聴き入り、見入ってしまいました。
演技力もすごくて、ソファに寝そべるようにしてドン・ホセを誘惑するように歌うシーンがあるのですが、あの体勢でどうしてあんな声が出せるのかと唖然としてしまいました。
上演時間が長いですから最後まで見たら朝になってしまうので、録画しておけばよかったなと思いつつ夢の中へ。
「カルメン」は大学を卒業したばかりのころ伴奏をしていたことがあって、全曲がしっかり記憶の中にあります。
オペラ協会の公演で1年かけて練習していたのですが、もともとは私じゃなくほかの方が伴奏していたのが都合で急に降りてしまい、本番1カ月前に急遽頼まれて伴奏することになりました。
本番はオーケストラが来るので練習のための伴奏なのですが、とはいえスコアが全部で370ページほどもありますし、歌い手の方たちはもう本番間近ということで熱が入って緊張感もあり、とにかく大変だった記憶があります。
でも、そのとき苦労したおかげで、こうしていま「カルメン」を聴いていても、勉強したことのないオペラを聴くのとはやっぱりちょっと違うんですね。
与えられた機会は、大変でも受けとめて学ぶということがとても大事なことだと思います。
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