ドビュッシーを初めとするフランスのピアノ曲が私は大好きなんですが、フランスの音楽も美術も文学も、別々のものではなく、深くつながっていますね。
学生のころは、もちろん翻訳でですが、フランス文学にはまっていました。
これは今年の私の誕生日のプレゼントにと、子供のころからレッスンに来ていて今は成人しているお嬢さんが久し振りに訪ねてきて、届けてくれたものです。
まさか私の誕生日を知っていて、しかも長年覚えていてくれてこんなプレゼントをいただけるとは思っていなかったので、びっくりしたと同時に、とても嬉しかったです。
中身は、1年365日のそれぞれの日に、書物などから引用したフランス語の1文が筆記体で書かれていて、練習できるというもの。
有名な諺や、よく知られた詩の一節や、昔読んだ本の中の文が美しい筆記体で表記されていて、パラパラと見ているだけでも楽しいです。
きょう9月24日のページを開いてみたところ、こんな文が載っていました。
Adieu tristesse,Bonjour tristesse, (悲しみよさようなら。悲しみよこんにちは。)
フランソワーズ・サガンの小説「悲しみよこんにちは」の冒頭の文章です。
エリュアールの詩からの引用だそうです。
私がフランス文学にはまった入り口は、この小説でした。
高校生のころ読んで、サガンが自分と同じ年齢ぐらいのときにこの小説を書いたと知って衝撃を受けたんです。
その後、ボーヴォワール、カミユ、モーリヤック、コレットなど、よく読んだものです。
どれくらい内容を理解できていたかはわかりませんが(笑)
前置きが長くなりました。
きょう9月24日は、サガンが亡くなった日だったんですね。
2004年、サガン69歳のときです。
若くしてこの処女作が世界的にベストセラーになり、莫大な富を手に入れたために、その後は破天荒な人生を歩んだサガン。
でも、小説や戯曲を書き続けて、人より濃密な人生を駆け抜けていったような気がします。
久し振りにサガンに思いを馳せた、秋の雨の1日でした。
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