ピアニストの中村紘子さんが亡くなられたというニュースが流れました。
がんで闘病しながら演奏活動をしているという話は聞いていましたから、そんなにびっくりしたわけではないけど、「え、だめだったの、早いな」という印象です。
日本人の国際的なピアニストがまだ少なかった時代に、ショパン・コンクールで入賞して脚光を浴び、華やかな容姿もあってスター的な存在でしたね。
私もリサイタルにも何回か足を運び、著書も読みました。文章もお上手でしたね。
作家の庄司薫さんと結婚したときも、大変話題になりました。
庄司薫さんも当時、芥川賞を取った売れっ子作家で、私も受賞作の「赤ずきんちゃん気をつけて」以下、何作も読んでいました。
中村紘子さんの演奏も、はっきり物を言うお人柄も、恐らく好きな人もそうでない人もいるかもしれませんが、実力者であったことは確かだと思います。
72歳ということですが、ピアニストは長命で長く活躍する人が多いですから、ご本人はまだまだ弾き続けたかったことと思います。
力強く、また大輪の薔薇のようだった1人のピアニストの訃報に、時代は過ぎていくんだなということを改めて感じさせられました。
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