練習とレッスン

今は8月の発表会に向けて、いよいよ気を引き締めなければいけない時期なんですが、子供は時間の感覚がよくわかっていないので、漠然と8月ってまだ遠い先と感じている子が多いんですね。

なので、この時期になると、「ほら、6月のレッスンはあと1回。7月が4回、8月になるとすぐに1回目のリハーサルがあるのよ。この調子で間に合う?」と、発表会までのインターバルを具体的に示してあげなければなりません。

 

例えばA-B-Aの構成でできている曲のAの部分をまずレッスンで一緒に譜読みしたら、「じゃ、来週までにここまで弾けるようにしてきてね」と言うんですが、練習しない子は、次の週になってもそのままです。

仕方なく先週やったところをまた一緒にやるのですが、これはレッスンじゃなくて自分でやるべき練習に付き合ってあげているんですね。

そうなるともうそれだけで時間をとられて、予定していたBには進めません。

発表会の日はもう決まっているわけですから、そこで足踏みしてはいられないんですけど。

 

私が音大を卒業して教え始めたころは、ほとんどの子は(例外はありますが)言われたところまでは次の週までに弾けるようにしてきたと思うし、家でやるべき練習と、軌道修正したりその先の道筋を示すレッスンとの区別はついていたように思うんですけど。

子供もお母さんも(お父さんでもいいんですが)、そんなに頑張らなくても先生が弾けるようにしてくれると思っているんでしょうか。

おいおい、発表会の日に前に出てってこの曲を弾くのは私じゃないよ、って思うんですけど。

 

お母さんたちも忙しくて、お子さんの状態を把握できていないのかもしれないので、準備が遅れているお子さんのお母さんには、こういう状態ということを気を遣いながら話したりしています。

フルタイムで働いているお母さんには、お電話するタイミングも難しいんですけどね。

 

もちろんちゃんと練習してきて、着実に前進している生徒さんもいます。

でも、1年に1回の発表会では、みんなが自分らしくちゃんと弾けて、達成感を味わう成功体験をさせてあげたいんですね。

お子さんもご家族も、ああ、ピアノをやっていてよかったな、音楽ってほんとにいいものだなと思えるように。

 

なので、私も悩みながら、日々奮闘しています。