ユリアンナ・アヴデーエワのピアノ

きょうは最近気に入って聴いているピアニストの演奏を。

Yulianna Avdeeva(1985~ )

ロシア、モスクワ生まれ。


2010年のショパン・コンクールの優勝者ですね。

アルゲリッヒ以来45年ぶりの女性の優勝者です。


2010年のショパン・コンクールといえば、ニコライ・ホジャイノフが一次予選は最高得点で通過しながら、本選のコンチェルトでは恐らく経験不足から入賞を逃したときですね。

そのときアヴデーエワは25歳、ホジャイノフは何といってもまだ18歳でした。

でも、とにかくレベルの高い大会で、最後までだれが優勝するかわからなかったそうです。


でも、この演奏を聴くと、なるほどそういう大会で優勝するだけの理由はあるなと思います。

実に抒情性にあふれ、繊細で自在なタッチ。

この曲は静かで抒情的な曲ですが、バラードやソナタを聴くと、女性である弱点を感じさせない、とてもダイナミックな演奏です。

そして何を弾いても知性も感じられ、品格もあり、既に大家のような風格さえ感じられます。

とてもバランスのいい、素晴らしいピアニストですね。


この2010年のショパン・コンクールでは、日本人は一人もファイナルに残れなかったんですが、ホジャイノフやアヴデーエワを聴くと、さもありなんという気もします。

目指している音楽の質が、初めから違うように思うんですよね。


ともあれ、こういう演奏を聴いていれば、私はとても幸せですけどね(笑)