先日、バレンボイムとアルゲリッチの共演について書いたので、この本のご紹介を。
オリヴィエ・ベラミーという人が書いたアルゲリッチのこれまでの人生。
なぜこういう副題がついているのかは、よくわかりません(笑)
とにかく「天才」という呼び名がこれほどふさわしい人は、そういないんじゃないでしょうか。
テクニックも音楽も、すべてが自由で天衣無縫、心のままにほとばしる感じですよね。
私は、彼女が上野の文化会館で小澤征爾指揮、新日本フィルと共演したショパンのコンチェルトが忘れられません。
まだ長男が小さくて、東京に住んでいたころですから、相当前ですが、2楽章が始まったとき鳥肌が立ったのを今でもはっきり覚えています。
後から音楽雑誌でも「歴史に残る名演だった」と書かれていました。
少女のころから天才の名をほしいままにして、16歳のときには数日の間に2つのコンクールで優勝してしまったり、24歳でショパン・コンクールで優勝したり。
この本を読むと、彼女の周りの綺羅星のごとき交友関係の音楽家たちや、3度の結婚と離婚、メラノーマで手術を受けて闘病したことなど、彼女のこれまでの人生の一端を垣間見ることができます。
お嬢さんが3人いるけど、それぞれお父さんが違うんですね。
ロバート・チェン(作曲家・指揮者)、シャルル・デュトワ(指揮者)、スティーヴン・コヴァセヴィチ(ピアニスト)。
これほどの天才ですから、向かうところ敵なしかと思いますが、若いころコンサートのキャンセルが多かったのは、演奏に対してナーバスになることがよくあったようですね。
最近はソロよりもアンサンブルが多いのも、彼女のそういう面と、人が好きという側面のあらわれかもしれません。
とにかく豪華な音楽家の名前がおびただしく出てくるので(笑)、音楽好きな人には楽しめる1冊だと思います。
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