ブルーノ・レオナルド・ゲルバー

発表会の後、出掛けることが多かったのですが、やっと少し落ち着く日々が戻ってきました。

気候も涼しくなって過ごしやすくなりましたね。

 

きょうは昼食後に録画してあったゲルバーの演奏を聴きました。

食事しながらなんて思うんですが、集中して聴こうとすると、自分の咀嚼する音が邪魔になって(笑)

 

ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(1941~)

オーストリア系のアルゼンチン人でフランス人とイタリア人の血筋も引いているとか。

7歳のときに小児麻痺に罹り、闘病生活をしていたけど、音楽家の両親がベッドをピアノの下に半分入れて、体を起こせばピアノが弾けようにしてくれたというのは有名な話ですね。

 

若いころはとても端正な容貌で印象が強かったのですが、久し振りに見たらすごく太っていてちょっとびっくり。

でも、本人はビジュアルにこだわる人で、舞台に出るときはきれいにお化粧しているんですね。眉と目のメイクが何だかマイケル・ジャクソンふうに見えるのは私だけでしょうか。

何でも19世紀末から20世紀初めごろまでは、演奏家が男性でもお化粧するのは普通だったそうですから、そのころの伝統を引き継いでいるのでしょうか。

 

https://www.youtube.com/watch?v=unPNiMFw9VU

 

それはさておき、演奏はさすがでした。

1曲目はベートーヴェンの月光ソナタ。

インタビューで「月光ソナタからリサイタルを始めるのはとてもいい気分です」というようなことを言っていたけど、よくわかります。

幻想的で美しいあの1楽章がゆっくりと流れ始めると、夢のような世界に引き込まれていきます。

 

後半はムソルグスキーの「展覧会の絵」。

大曲かつ難曲でもあります。

テレビを通してもお腹に響くようなずっしりした音色で、さすがの迫力。

1枚ずつの絵のイメージが鮮明でした。

難曲なのに、ゲルバーが弾くとそんなに難しい曲に見えないのが困るというか(笑)

 

若いころ聴いたピアニストが、歳を重ねても健在で円熟味を増しているのを確認できるのは嬉しいですね。