Eテレで放映された1月15日のN響定期公演の模様。
ルドルフ・ブフビンダーを迎えて、モーツァルトのピアノ・コンチェルト20番K.466。指揮はファビオ・ルイージでした。
ルドルフ・ブフビンダー(1946~)オーストリア出身。
5歳でウィーン国立音大入学、8歳でマスタークラスを履修し、同大の最年少記録を打ち立てたという逸材です。
もうかなり前ですが、私は清水文化会館大ホールでモーツァルトの21番K.467を弾いたことがあります。
東京からオーケストラが来るということで、滅多にない機会なので、数か月前から本当に真剣に取り組みました。
そのときにやっていた練習方法が、数名のピアニストの演奏を録音しておき、一緒に弾いてみるというものでした。
バレンボイム、クララ・ハスキル、リパッティ、そしてこのブフビンダー。
ブフビンダーの名前はそのときまで知らなかったのですが、たまたまFMでK.467の演奏を放送したので録音しておいたんです。
バレンボイムはゆったり目の演奏で、私にはちょっとコクがあり過ぎというか。クララ・ハスキルはさすがにちょっと古い演奏スタイル。リパッティとブフビンダーが気に入ったのですが、最後は毎朝、まずブフビンダーと一緒に弾いてから1楽章から練習していました。
速目のテンポで、すかっと爽快な気持ちのいい演奏でした。
一緒に弾いてみると、ただ聴いていただけでは気づかなかった演奏の秘密がわかるんですね。微妙なテンポの揺れが体感できたり。
今回の放送でも、彼の巨匠ぶりがよく伝わってきます。
何でも2012年に来日したときには、一晩でブラームスのコンチェルトを1番、2番と2曲弾いてしまったそうで、唖然としますね。
人によっては「特異体質でなければ弾けない」とまで言う、テクニックと体力の要るブラームスのコンチェルトです。一晩で2曲弾くなんて、これだけでもただ者でないことは明らかですね。
日本でも、もっともっと人気が出てもいいピアニストだと思います。
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